10月31日(金)午前8時30分より、九州学院ブラウン･メモリアル･チャペル(1925(大正14)年10月30日献堂式挙行)において｢献堂100周年記念礼拝｣が厳かに執り行われました。チャペルにはご来賓、学校関係(同窓会役員･育友会役員･外部理事･監事･外部評議員)、教会関係の皆さまにお越しいただき、生徒代表(クラス委員･宗教委員･敬愛会[高校宗教部]メンバー)と教職員代表がチャペルで参加しました。なお、代表以外の生徒･教職員は高校3年生が3号館ホールで、その他の学年は各教室でオンライン参加で礼拝のときをまもりました。日笠山吉之チャプレンによる司式で執り行われたプログラムは以下のとおりです。

　

　前　奏

　初めの言葉

　讃美歌　　　「いつくしみ深き」

　キリエ

　聖　書　　　旧約聖書『ダニエル書』12章3節

　説　教　　　藤本　誠 先生（九州学院百周年記念歴史資料･情報センター長、九州学院旧教職員）

　　　　　　　説教題『ルーセランミッションのシンボル 九州学院ブラウン･メモリアル･チャペル』

　特　祷　　　中島康文 九州学院院長

　主の祈り

　祝　福

　後　奏

　挨　拶　　　室永芳久 九州学院中高校長

　　　　　　　大西一史 熊本市長

　　　　　　　澤田昌作 熊本市議会議員

　　　　　　　福田　稠 九州学院理事長

　　　　　　　中島康文 九州学院院長

　

　説教の結びで藤本先生は「本日10月31日、宗教改革記念日にブラウン･メモリアル･チャペルは献堂100周年を迎えました。ブラウン博士の福音宣教はルーセランミッションのシンボル、九州学院ブラウン･メモリアル･チャペルとともに今も、とこしえに生きているのです」と力強く語られました。節目となる献堂100年記念礼拝を九州学院構内各所でこのようにともにすることができましたことを主なる神さまに感謝いたします。なお、藤本先生は九州学院在職時に『九州学院百年史』を執筆･編纂され、現在も歴史資料･情報センター長としてセンターウェブサイト上に多くの情報や資料･史料を作成･アップロードされています。下記にその一部を掲載しておりますので、関連記事も含めましてぜひご覧いただきますようお願いいたします。

　

【歴史資料･情報センターウェブサイト内『歴史余話』第三十三話「九州学院施設の変遷2」より(一部加筆編集)】

　1921(大正10)年12月5日に九州学院の創設に最も深く関わってきたチャールズ･ラファイエット･ブラウン博士が伝道途上のリベリアで病に倒れて天に召されました。それ以降、ブラウン･メモリアルとしての記念礼拝堂の建築実現に向けての動きが加速し、1924(大正13)年にブラウン記念礼拝堂(Brown Memorial Chapel)がヴォーリズ建築設計会社の設計で承認されました。なお、ブラウン博士の足跡については、歴史余話第十四話、歴史余話第十五話、歴史余話第十六話に掲載されています。

　九州学院ブラウン･メモリアル･チャペルは、創立10周年(1921年)記念事業として1925(大正14)年に講堂が竣工して10月30日に献堂式が行われました。当初は講堂と呼ばれていましたが、後に九州学院の設立者であるブラウン博士を記念して｢ブラウン記念礼拝堂(ブラウン･メモリアル･チャペル)｣と呼ばれるようになりました。一部に2階席を設けた全750席を有する講堂は大変優美で、威風堂々としたものでした。本館校舎(当時)と講堂は屋根付きの回廊(コリドー)で結ばれ、雨の日でも各教室から不安なく講堂まで行けるようになりました。同年11月18日から学院朝礼が正式に始まっております。ここでは毎朝の礼拝や入学式、卒業式、創立記念式典などの色々な学院行事が執り行われてきました。学院に学んだ卒業生にとっては最も思い出深い建物です。現在では種々の学院行事のほかに卒業生の結婚式などにも利用されています。

　献堂50年が迫った1970年代前半、歴史を重ねてきた講堂も、屋根の梁の木製の部分が白蟻の被害を受けて雨漏りが酷くなってきました。解体の意見が出るようになるなか、卒業生の心の拠り所である講堂をぜひとも修復･保存してもらいたいと、高校初期の卒業生を主体にして保存運動が起きました。1974(昭和49)年2月に募金活動が始まり、1978(昭和53)年に修復が完了しました（参照：歴史余話第六話）。
　1996(平成8)年には文化庁の登録文化財(熊本県第2号、第43-0002号)として登録されました。
　ヴォーリズ設計事務所による講堂の設計図(青写真)は、九州学院百周年記念歴史資料･情報センターで常時展示しています（参照：歴史余話第三十話）。