歴史余話

歴史の深層、歴史あれこれ 九州学院の卒業生でも意外に知らない学校の歴史エピソードやこぼれ話などをご紹介します。

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第二十八話 九州学院同窓会の始まり

九州學院学友会「大江」

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 1917(大正6)年12月25日に発行された、九州學院学友会の「大江」第4号の100頁から始まる「卒業生便り」の欄に次のような記事が掲載されている。
 掲載文は縦書きであるが本文は横書きで文字の記載は原文に準ずる。これに拠ると九州学院同窓会が結成されたのは、卒業生が2回卒業したところで結成されている。これは現在から100年前に遡ることになる。

 この九州学院同窓会は途中で「九州学院校友会」などと称されていたこともある。1939(昭和14)年に発行されている名簿は「九州学院校友会名簿」とタイトルはなっている。
 関東の同窓会も同じように「東京九州学院会」「九学会」などいくつかの名称変遷があり、1976(昭和51)年に現在の「東京九学会」なった。

「大江」第4号より転載

 三月十三日、第二回卒業式後、午後三時より卒業生大會を開く、当日集まるもの、第一、第二回合わせて約八十名。初に遠山院長より、卒業生會の性質に就き詳説せられ、尋いで、「九州學院同窓會規則」の草案に就き審議せしに、議論百出して、帰する所を知らず。依って、職員側より、川崎、村上、高木の三先生、卒業生側より、釘本、遠山、岩永、南條の四君を修正委員に挙げ、之が修訂に當たらしめ、他の会員は同委員の修正案に対しては、絶対に服従すべきことを決議し、それより豫め幹事四名
 釘本 祐仲 遠山 不覇夫 (第1回卒業)
 岩永 則恭 南條 眞一  (第2回卒業)
を選挙し、後余興として藤田先生の奇談、宇土先生、高橋先生、上妻先生、紫垣君等の詩吟あり。最後に茶菓の饗応あり。快哉の聲喧しき内に、閉会せしは4時過なりき。

九州學院同窓會規約

 名称位置
第一條  本會ハ九州學院同窓會ト称シ事務所ヲ九州學院内ニ置ク
 會員目的
第二條  本會ノ會員ヲ分テ普通會員特別會員ノ二種トス
     九州學院(神學校ヲ含ム)卒業生ヲ普通會員トス但シ特殊ノ中途退學者ヲ総會ハ決議二依リ普
     通會員タラシムルコトアルベシ九州學院現職員ヲ特別會員トス
第三條  本會ハ會員相互ノ交誼ヲ厚ウシ併セテ母校発展ノ後援タランコトヲ期ス
第四條  本會ハ毎年春季二總会ヲ開キ必要アル毎二臨時總会ヲ開クベシ
第五條  普通會員ハ少クモ一年一回總会前ニ會長宛通信スベキモノトス
第六條  普通會員ハ入會ノ際入會金廿銭ヲ納ムベシ
第七條  本會ノ費用ハ會員ノ入會金及寄付金ヲ以テ之ヲ支辦ス
第八條  特別會員ハ會長ノ諮詢ニ應ジ又總会ニ臨ミ發言スルコトヲ得 但シ可否ノ数ニ加ハルコトヲ得
     ズ
 役員及職務
第九條  本會ニハ會長幹事常任幹事ヲ置ク
     會長ニハ學院長ヲ推戴ス
     幹事ハ總会毎ニ各期卒業生中ヨリ二名宛ヲ選挙シ常任幹事 
     ハ四名トシ幹事ノ互選ニ依テ定ム
第十條  本會役員ノ職務章程ヲ定ムルコト左ノ如シ
     會長ハ會務ヲ總理ス 但シ會長ニ事故アル時ハ會長ハ臨時
     其ノ代理ヲ指名ス
     幹事ハ會務ヲ處理ス
     常任幹事ハ左ノ帳簿記録ヲ整理保管スル者トス
      一 會員名簿
      一 出納簿
      一 會務及會員ニ関スル記録
第十一條 本會規約ノ變更ハ總会出席者過半數ノ同意ヲ要スルモノトス

卒業生便り

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 同じ「大江」第4号に次のような東京の同窓會発足に関する記事も掲載されている。

東京九州學院会記録

大正六年五月廿日発會。相談。

日曜夜の英語礼拝後小石川区戸崎町山内先生宅に於いて本會の基礎を作る為茶話会を兼ね相談會を開く。然れども規則編成には長時間を要すべきに付き来る五月廿三日午後一時再び同所に會せん事を決議す。但し其節欠席せし者は出席者の決議せし本會規則に對して發言の権を放棄せし者と認む一同心置きなき舊友のみの會合なれば快の果つるを知らず。盛に肥後辦の気焔に花を咲せて十時散會す。

(中略)

仝年五月廿三日規則編成會

前會の決議に依り午後一時山内先生宅に集まる。人員少數なれども前會の決議に基き本會規則を編成す。席上に山内先生も在りて色々と御注意下さる一同佐々城先生の發言を相依りて取捨し此處に本會の権威たる規則の編成を見る。而して規則の表面的の文章を佐々城先生に依頼し五月廿四日午後六時佐々城先生宅にて之れを相議し完成せん事を約して午後五時散會す、列席者左の如し。
 山内先生。佐々城先生、石松君、金田、高木、小山、寶珠山、當日編成の規則書は未だ實際的に権威を有せずともその中に含まれし幹事三名を置くてふ箇條は速かに實現せられざるべからざるものなれば出席者一同の推薦によりて左記三名その任を踏む事となれり。
 小山祿仁。高木清記。寶珠山瑞樹。
三名の新幹事は一達協力して本會の為大になさんと決意して散す。

仝年五月廿四日會則編成會

佐々城先生宅にて會則二十ケ條に付き各々その文案につきて意見を述べて此處に完成を見る。五月廿八日石松君歸省せらるべきを以て母校に報告すべくそれまで具体的に表す事を約して散ず。参會者左の如し。
 佐々城城生、石松君、高木、小山、寶珠山。

五月廿九日幹事集合

石松君歸省までに會則完成せざりしを以て手書して現在會員の名簿と共に送りしが今日山内先生の御手を煩わして會則を出来す。各校學期末なれば幹事最後の會合をなす。

暑中休暇中少々會員に異動ありたり。
仝年九月六日九州學院新教師ノルマン先生歓迎會

ノルマン先生歓迎會は教會にて行ひしものなれども一員として我會員も列席す。名古屋より舊師ホールン先生の御出席あり席上大に賑ふ。會員の歸省中又はその他の要用充分集り得ざりしは残念。新會員の顔も見え心強し。九月中是非會せん事を約して散す。列席者左の如し。
 佐々城先生、赤星、山内、遠山、内野、寶珠山

九月廿四日午後一時、九月會

發會以来最初の例會なり、新上京者の集へる者も多く、優勢見るべきものあり。山内先生宅に集る席上数個の議事を定め、十月の大會を遠山先生歓迎の會と兼ねん事を約す。
議定事項並びに参會者左の如し。

各自自己の學校に於ける感想その他の諸事を半紙一枚づゝ位に認めて之れを以て會員にその消息を知るに便ならしめこれを母校に送る事。

東京に於ける各種の學校の状況を調査し上京入學せんとする者の便として且つ又上京生活せんとする者にも便宜を與ふる事。學院に對する希望。四ヶ條は遠山先生に直接申出づる事とせり。
山内先生、佐々城先生、石松君、内野、元山、遠山、森山、小野、伊藤、久木田、加島、西村、大崎、金田、竹田、高木、小山、寶珠山、山内

以上

同窓会設立百周年記念祝賀会は
平成29年4月16日(日)に下記の通り実施されます。

 13:30~ 記念礼拝  九州学院ブラウンチャペル
 16:00~ 同窓会総会  熊本ホテルキャッスル
 16:50~ 同窓会設立100周年祝賀会 同ホテル
      記念講演 吉無田春男氏(J8、S10卒)

みなさんがご存知の九州学院の歴史をお教えください。

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