おしらせ

一覧へ戻る

2024年度「年間聖句」のご紹介

[2024-04-07]

 九州学院はキリスト教主義学校であり、毎朝行われる礼拝の時間を創立以来大切にしています。現在でも生徒が登校する日においては短時間であっても礼拝は欠かすことなく続けられています。皆で讃美歌を歌い、読まれる聖書の言葉に心を留め、頭を垂れて手を組み祈りを合わせるこの時間は、知育・徳育・体育のうえに霊育を施す九州学院の全人教育の基盤となる重要なものとなっています。

 教室や職員室など校内随所にその年度の「年間聖句」が掲げられ、礼拝でもチャプレンをはじめ説教者・奨励者からこの聖句についてのお話が何度も行われます。本日から掲示されます2024年度の年間聖句は、新約聖書のローマの信徒への手紙12章15節『喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。』です。この聖句は世界各地のキリスト教会だけではなく、多くのキリスト教主義学校(キリスト教徒や教会がその信仰に基づいて一般教育を行うという意味で「ミッションスクール」とよばれることがあります)においても年間あるいは月間の聖句として指定されることがたいへん多い箇所であります。

 この記事の執筆者も一人のキリスト者(教徒)として学院での働きにあたらせていただく者でありますが(以下は執筆者個人としての記述になりますが、チャプレンの承諾を得ております)、この聖句に触れる(読み返す)度に、イエス・キリスト(キリストは「救い主」を意味する言葉で、いわゆる姓に該当するものではありません)がなされたことの重さを思い知らされます。教育観やその方策にはさまざまなものがありますし、一概に「どれがよい」と評することはできません(特に私立学校においては各校の建学の精神・理念が尊重されます)が、誰かに「関心を持ち、共感し、寄り添う」ことの大切さはある程度の割合で理解を得られているのではないでしょうか。

 とはいえ、皆が互いにこれを実践することがいかに難しいかも深く思わされます。ここ数年間にわたる急速な科学技術の発達と社会の変化は、ある面・捉え方では新たな価値観やライフスタイル、可能性を誕生させた一方で、人間関係の分断や対立、他者への無関心といったものもまた以前より強まったという印象があります。仮にそのような変化がなかったとしても、人は他者に関心を持ち、寄り添う(気持ちの)余裕がないことも多々あり、まして「喜びや悲しみをいつも共にする」ためには、自身の内面・行動にも向き合わざるを得なくなる重いものだと思います。

 それでもローマの信徒への手紙を著したパウロが私たちに『喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。』と言われるのはなぜでしょうか。実はこの言葉には「大切な前提」があるからなのです。それは神さま、そして私たちの「罪」を贖うために十字架にかかられて復活されたイエス・キリストが「共感する相手の人、さらに私たちと共に既におられる」ことです。神さま・イエスさまが既に(いつも)私たちと共にいてくださるからこそ、私たちはその姿に倣って「関心を持ち、共感し、寄り添う」ための歩みを進めることができるのです。

 この2024年度の年間聖句を大切にして九州学院の教育活動がなされていきますように、そして神さま・イエスさまの愛のなかで生徒・教職員が共に成長することができますように祈ります。