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「中村哲医師と共に歩む」村上優ペシャワール会会長が講演

[2021-12-10]

 12月10日(金)5・6時限、中高は全校特別講演会を開催しました。講師としてペシャワール会会長・PMS(Peace Japan Medical Services =平和医療団・日本)総院長を務められている村上優さんをお招きし、生徒・教職員へのご講演をたまわりました。講演会場の3号館ホールには各クラス代表4人(144人)が出席し、他の生徒はZoomを通して各教室でご講演を拝聴しました。この講演会は、医師としてパキスタンとアフガニスタンでの医療活動に従事され、アフガニスタンでは自ら重機を操縦して全長25kmにおよぶ用水路の建設で10万人以上の人々の生活を救われ、その後もアフガニスタンの人々自身で用水路を建設することを支援された中村哲医師の活動から学ぶことを目的として実施されたものです。

 村上さんはまず中村医師の人柄や信念について紹介された後、「誰もが押し寄せる所なら誰かが行く。誰も行かない所でこそ、我々は必要とされる」と語った中村医師が1991年からアフガニスタン・パキスタン両国にまたがって無医地区での医療活動に取り組まれたこと、1998年にペシャワールに活動拠点となる「PMS基地病院」を建設された様子を語られました。続いて、アフガニスタン全土で干ばつが深刻化した2000年夏に井戸掘りを開始したこと、翌年10月からは緊急食糧配給を行ったこと、さらには2002年から「土漠」化した農地復旧のために既存用水路の改築に乗り出したことなどを、村上さんは多くの画像を交えて紹介されました。

 2003年3月、PMSは総合的農村復興を目指し、マルワリード灌漑用水路建設を開始。2010年3月、最終地点ガンベリ砂漠まで貯水池13ヵ所を備えた用水路が竣工。農地の復旧と拡大は難民の帰還を促し、15年間をかけて確立した取水法「PMS取水方式」は洪水でも渇水でも年間を通して安定した取水量を確保できる画期的なもので、現在はその普及活動にも取り組まれています。また、「一方的な支援では真の復興には繋がらない」との信念から、PMSがアフガニスタンの人々自身による自給自足の農村復興=「自立定着村」構想に注力されていることを村上さんは強調されました。

 ご講演のまとめで村上さんは、中村医師が語られた言葉や(召天された現在)中村医師ならばどのように語り祈られるかを紹介されました。それらの言葉(「平和の姿」・「平和への思い」)はいずれも私たちが深く考えさせられるものでありました。また、現地で中村医師と長く共に活動され、現地の人々と交流してこられた村上さんならではの、現在そしてこれからのアフガニスタンについての思いも聞かせていただきました。各場所で拝聴した生徒たちもそれぞれ思いをめぐらしていたようです。講演後にはパネル展の見学やプレゼンテーションの準備などに励む生徒の姿がありました。このたびはご講演いただきましてまことにありがとうございました。

 

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