宗教特伝:立野泰博牧師「被災地に立つ寄り添い人」講演に感動
[2012-11-13]
11月13日(火)3時限に宗教特別伝道講演会が3号館ホールで行われました。講師は立野泰博牧師(日本福音ルーテル大江教会牧師、九州学院高校S31回卒)。立野牧師は、日本福音ルーテル教会の事務局長として働いておられましたが、2011年3月11日の東日本大震災後、「東日本大震災ルーテル教会救援」の派遣牧師として宮城県に赴き、「ルーテルとなりびと」の活動に奔走されました。
立野牧師は、被災地でのボランティア活動を通して、凄惨極まる極限状況に佇むとなりびとに寄り添い、牧師として苦しみを共にされた思いを切々と伝えられました。その一つひとつのことばは、被災地の人々のありのままを伝えるスライドと共に、生徒一人ひとりの心の奥底に届いたのではないかと思います。全生徒が厳粛な気持ちで聴き入っていました。
すべての家族を失い、やっと探し出した二人の孫の泥まみれのランドセルの傍らに、ただ一人とり残され呆然と座り込む老婆の後ろ姿。泥土の中から探し出した娘の亡骸を抱きかかえる泥にまみれた慈母の姿。それは、ことばをすべて失ってしまう命のせとぎわに佇む人々の姿そのものでした。生徒たちは、何を感じ受け取ったでしょうか。それは、自分の命に対する問いかけとなり、生きる意味への問いかけとなったはずです。
「ルーテルとなりびと」の働きを支えているのは、キリストの救いと復活の力です。泥まみれの娘の亡骸を抱きかかえる母の姿に、十字架から降ろされたイエスの亡骸を抱く聖母マリアの姿を思い重ねた人もいたはずです。その姿は、ピエタ以外の何ものでもありません。
講演を聴いた生徒たちは、4時限目にそれぞれの感想を真剣につづり、アンケートに答えていました。