ブラウン メモリアル チャペル 2025年、献堂から一世紀
[2024-05-09]
九州学院のシンボルともいえる、創立者C.L.ブラウン博士を記念したブラウン メモリアル チャペルは、1925年に竣工し、同年10月30日に献堂式が盛大に行われました。そして来年2025年に献堂百周年を迎えることとなります。
同チャペルは英国人の建築家ヴォーリズ設計で、鉄筋コンクリート作り木造小屋組のロマネスク風スタイルの外観で優美な建物です。一部二階建ての750席を有する会堂で、聖壇脇の控室の地下室にはボイラーがあり、スチーム暖房の装置が設置されていましたが、第二次世界大戦の時、金属供出で撤去されました。
歴史を重ねるにつれて老朽化し、また白アリの侵食などが原因で雨洩りがひどくなり、1974年の旧本館の解体に引き続きチャペルの取り壊しの計画も浮上しました。しかしながら同窓生の有志が、旧本館はやむを得ないとしてもこの講堂は自分たちの青春の思い出、心の拠りどころとして永久保存を貰きたいという趣意書を出して保存運動開始し、1000名に及ぶ応募者が多額の講堂修復事業寄付に協力しました。その熱意に応えた学院は1976(昭和51)年10月20日に修復保存をすることを決定して、1978(昭和53)年に屋根部分の木部を取替て修復を完成しました。これにより見事にブラウン チャペル講堂は甦ることが出来、2016年の熊本地震でもどうにか難を逃れ、現在も学校行事での使用のほか、育友会(PTA)や教会関係の集会や卒業生の結婚式などにも利用されています。
なお、1996年10月には、歴史的景観の保存に寄与し再現が難しい建築物に与えられる、国の文化庁の登録有形文化財の熊本県第一号指定を受けました。創立当時の格調高く凛としたその雄姿を現在も偲ぶことができることはほんとうに有り難いことです。