南洋に散った画家 笠秀雄氏(旧18)の遺作展
[2022-08-17]
8月1日から、笠秀雄氏(旧18回卒)の遺作展が菊池市泗水町の資料館「菊池飛行場ミュージアム」で開かれます。
笠氏は太平洋戦争の激戦地、ブーゲンビル島(現パプアニューギニア)で戦病死した菊池市出身の画家です。生前、「芸術家として死ぬよりも平凡な兵隊として死んだ方が尊い」と、すべての作品を処分するよう家族に書き残しましたが、甥の笠昭二さんが心中を推し量りながら、17年ぶりの公開を決めたものです。
笠氏は1914年に菊池市広瀬で産声を上げ、来民小学校を経て5年間を旧制九州学院中学校に学び1933年に卒業しました。帝国美術学校(現武蔵野美術大学)に進んだ後、菊池郡泗水西部校の教壇に立っていましたが、1939年に応召されました。しかし、中国、南方での過酷な兵役の間にも笠美波(みは)のペンネームで詩を綴り、スケッチのペンを走らせ、30歳の若さで1944年にブーゲンビル島で戦病死するまでの5年の間その作品を故郷に送り続け、人々に勇気と感動を与えました。
遺作展は「花房(菊池)飛行場の戦争遺産を未来につたえる会」主催。展示期間は半年ほどの予定。開館時間は午前10時~午後4時。無休。入館料200円となっています。