すべての卒業生にとって懐かしい、あの校歌の第一節で「青蕪に歴史の跡残す 託麻が原の一角に」と詠われているように、九州学院は託麻が原の一角である現在の大江に産声をあげました。 それが1911(明治44)年4月のことであります。 あれから約100年、設立者のチャールズ・L・ブラウン博士や初代院長遠山参良先生をはじめとする数多くの先達が学院形成のために尽力してくださいました。 この教育事業の働きは、丁度、一粒の種を蒔き、水を注いで育てることに似ています。 そこには多くの人々の愛と忍耐、そして祈りの支えがあったことを想起するものです。
すでにわが学院は3万有余の卒業生を輩出するに至り、蒔かれた種が良き実を結んできていることを知っています。
創立百周年を迎える今、積み重ねられた年輪の重さを肌に感じつつ、この熊本の地で建学の精神である「敬天愛人」をさらに具現化すると同時に、未来を拓いていける人材の育成と、その教育のために最善を尽くす所存です。
この度の百周年記念事業として、記念体育館建設、2号館改修、記念歴史資料室の設置、記念誌の編纂、記念式典などを計画しています。
卒業生をはじめ在校生の保護者の皆様、また、教職員一人ひとりのご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
これは初代遠山院長の遺稿集に選ばれた言葉です。 遠山先生が私たちに遺されたもの、それがこの九州学院でした。 そして2011年には、創立百周年を迎えます。 「敬天愛人」という建学の精神を表す言葉、そして「自分で自分を監督し、役に立つ善人となれ」という教育目標をもって、戦争や自然災害など、幾多の厳しい試練を乗り越えて、九州学院は発展を遂げてきたのです。 もちろんその陰には、3万を数える卒業生の皆さまのお支え、そして神さまのお守りがあったことを、あらためて感謝しなければなりません。
いま、社会は経済的に厳しい時代を迎え、また価値の相対化という現象の中、人間性を疑うような事件も数多く起こっています。 だからこそ、教育の重要性がよりいっそう高まるのです。九州学院は、「地の塩、世の光」となる人材を生みだすことを目指して、創立百周年を節目として、さらに歩み続けなければなりません。 そのためにも、 あらためて学校へのご支援をお願いしたいと思っております。
どうぞ皆さまの変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。