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創立記念講演会 松澤員子先生が熱弁

[2019-01-22]

 九州学院では1月19日を学院の創立記念日(1910年同日設立認可、開校は1911年)として定め、この日に近い適当な期日に毎年「創立記念講演会」を開催しています。開校108年度にあたる今回の講演会は1月21日(月)、九州学院総合体育館において講師にルーテル学院(東京都三鷹市)理事長の松澤員子先生をお迎えし、『私とキリスト教の出会い』との演題で中高生にご講演をたまわりました。

 冒頭で松澤先生はご自身の生い立ちを紹介されながら「人生は出会いの連続です。出会いとは人だけでなく出来事や書物も含みます。それらすべての出会いがその後の人生に大きな影響を与えるものなのです」と語られました。小学校3年生のときの担任との出会いを通して教師になりたいと決意された松澤先生は、高等教育における女子学生の占有率が極めて低かった時代に4年生大学進学を志されました。高校3年生のときに発症した病のため長い入院生活を余儀なくされたものの教師になることへの熱い思いは変わらず、希望する環境が整っていた神戸女学院大学に入学されました。

 神戸女学院大学は『愛神愛隣』を掲げるキリスト教教育を基盤においた学校ですが、松澤先生は礼拝などには参加するものの宗教全体に対して否定的な態度をとられたそうです。しかし、大学3年生の春から寮の同室になった2年生(信仰熱心なクリスチャン学生)との出会いと連夜の激論を通して松澤先生は、出会いや出来事が神様のご計画(導き)によるものだと価値観が変えられたそうです。その後、西宮のルーテル教会を紹介され、集会や礼拝に真摯に臨むなかで信仰の決心をされ、大学4年のイースターの日に京都で受洗されました。

 大学卒業後、大阪女学院高校で地理の教員となった松澤先生は、併設されていた夜間部でも教えることになり、そこでたいへんな境遇のなかで学びに向き合う多くの学生たちと関わるなかで「この隣人たちにどう手を差し伸べていくか」と考え続けられました。その後、アメリカでの留学を経て神戸女学院大学に赴任された松澤先生は、そこで『愛神愛隣』を問い直させられました。それは「自己中心である私を赦し、さらに用いてくださる神さま」に悔い改めを行い、御言葉に聞き従っていく姿勢へとつながりました。

 まとめで松澤先生は「礼拝とは静かに話を聞きながら自分の心の奥底にあるものと向き合い、そのなかで神様によって何かに気づかされる機会です。日々の朝礼は僅か10分ほどではありますが、皆さんの成長や将来に大きく影響する大切な時間なのです。この礼拝を大切にして皆さんの人生が神様の祝福のなかで豊かなものとなりますようお祈りしています」と生徒たちに語りかけられました。

 松澤先生の心温まるお話に、生徒たちも自分の心の奥底にあらためて向かい合っている様子がうかがえました。ご講演いただきましたこと感謝申し上げます。なお、講演会終了後に高校生はこの日が全体が一堂に会する最後の機会であることから3年生を送り出すときをもち、クラスごとに紹介と挨拶の後、在校生が大きな拍手で先輩たちを送り出しました。

 

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