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創立記念講演会 潮谷義子先生が熱弁

[2018-01-17]

 九州学院では1月19日を学院の創立記念日(1910年同日設立認可、開校は1911年)として定め、この日に近い適当な期日に毎年「創立記念講演会」を開催しています。

 開校107年度にあたる今回の講演会は1月16日(火)、九州学院総合体育館に講師として元熊本県知事で前日本社会事業大学理事長の潮谷義子先生をお迎えし、『いのちに頭を垂れる』との演題で中高生にご講演をたまわりました。

 お義父さまからお子さままで3代にわたって九州学院卒業生であることを紹介された潮谷先生は、九州学院がどのように誕生したかについて歴史的な流れと人間の結びつきの見地から語られました。そのなかで潮谷先生は、歴史は決してさまざまな分野で功績を残した著名人だけで構成されてきたのではなく、たとえ歴史本に名前が記載されなくてもそのときに生きたすべての人々が「いのち」をつないで紡がれてきたのだと強調されました。

 潮谷先生は長きにわたって社会福祉法人『慈愛園』の活動の中心的役割を担われ、特に乳児ホームや子供ホームでのお働きがよく知られていますが、具体的な事例を挙げながら生徒たちに繰り返しご講演のなかで語られたことがありました。それは次の3点です。

 「どのような経緯のなかで生まれたいのちであっても、どのような能力の違いがあったとしても、母胎から出てこの世に誕生したことは生涯最大の危機を乗り越えた革命的なことです。そのかけがえのないいのちをいただいている皆さんには一人一人に役割が与えられているのです」

 「すべてのいのちの価値は等しいのですからいのちの差別をしないでください。そして自分のいのちも隣人のいのちも等しく大切にしてほしいのです。いのちを大切にするということは自分一人で生きていくことではなく、お互いが支え合い補い合っていくことです」

 「自立とは自分に何が欠けているのかを自覚することであり、同時に他の人に何ができるのか考えて奉仕することです。皆さんが一人一人のいのちに仕え、共にいのちの歴史を受け継いでいく役割を考えてください」

 時間の経過を感じさせない潮谷先生の心温まるお話に、生徒たちもいのちの大切さについてあらためて向かい合っている様子がうかがえました。ご講演いただきましたこと感謝申し上げます。

 なお、講演終了後に高校生はこの日が全体が一堂に会する最後の機会であることから3年生を送り出すときをもち、クラスごとに紹介と挨拶の後、在校生が大きな拍手で先輩たちを送り出しました。

 

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