敬天愛人

九州学院１０５年・未来へのメッセージ　失敗恐れず前へ

俳優・高良健吾さん　

毎日新聞2015年12月20日　地方版

俳優・高良健吾さん（２８）

　熊本は、僕の心のど真ん中にある大好きな町です。役者仲間には、水がきれいでおいしくて、何よりも県民の人柄が好きだっていつもＰＲしています。

　＜父が転勤族で引っ越しを繰り返したが、中２から高校卒業まで熊本市で過ごした＞

　１９８７年に熊本市で生まれました。父が旅行会社に勤めていて２歳で北九州市に引っ越した後も転勤ばかりで、おとなしくて引っ込み思案でした。小５の学芸会では、セリフがない銅像役になったくらい。でも中２の時、熊本市の江南中に転校したら友達が明るくて、僕も引っ張られて元気になった。初めて声をかけてくれた友達は今でも親友です。その彼に九州学院に誘われて入学しました。

　＜九州学院ではサッカー部に入部したが、数カ月でやめた＞

　夢中になれる事がなくて１年生の出席日数は進級ギリギリ。そんな中、大好きな映画のビデオを借りて自宅で邦画、洋画を問わずに見ていました。でも、それが悪かったとは思わない。宮崎あおいさんや浅野忠信さん、永瀬正敏さん、村上淳さんらが当時から好きな俳優でした。

　＜地元のタウン誌の編集者との出会いが人生を変えていく＞

　高１の時、熊本市のアーケード街で「タウン情報クマモト」の編集者と知り合ってモデルとして誌面に出るようになりました。当時いくつか漠然と持っていた夢のうちの一つが俳優でした。それを口にしていたら高２の夏に編集長が今の事務所を紹介してくれた。

面接を受けたわずか２週間後に日本テレビ系の学園ドラマ「ごくせん」のオーディションがあって通った。人生がものすごいスピードで動き出したんです。

 

　＜１７歳でデビューした後も東京と熊本を行き来して俳優業と学業を両立させた＞

　撮影の合間に１、２日休みがあれば学校に行きました。友達がノートをとってくれていたのがうれしくて。授業にはついていけていなかったけど黙って真面目に聞いた。真剣に勉強や学校と向き合ったのがこの時でした。３年生の担任だった日吉伸孝先生と卒業に必要な出席日数を計算しました。日吉先生は男気のある人でああいう大人になりたいと思った。当時は仲間と大好きな九学を卒業したい気持ちが毎日の原動力になっていました。

　＜夢をつかむために必要なことは＞

　やりたいことをやる。興味を持ったら深くなくてもいいからまず一度掘り下げてみてほしい。失敗を恐れないで挑戦してほしい。【柿崎誠】＝次回は来年１月１７日掲載の予定。卒業生はロックバンド「ＫＥＹＴＡＬＫ」メンバー、寺中友将さんです。

　■人物略歴

こうら・けんご

　２００６年卒業。高校２年時に「ごくせん」で俳優デビュー。放送中のＮＨＫ大河ドラマ「花燃ゆ」では高杉晋作を熱演。今年６月に公開された主演映画「きみはいい子」で新米の小学校教師役を好演した。

 

　フジテレビ月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」にも出演中！