7月19日(金)、リブワーク藤崎台球場での「第101回全国高等学校野球選手権熊本大会」準々決勝に臨んだ本校硬式野球部は、第3シードの球磨工業高校を9回表に逆転して4対3で勝利し、準決勝進出を決めました。この日1学期終業式を迎えた本校は中学校とともにこの試合を「学校応援」とし、球場には多くの本校中高生と吹奏楽部、チアダンス部なども加わった九学大応援団が三塁側スタンドに詰めかけ、選手たちへ大きな声援を送りました。

　戦前予想のとおり九学･蒔田、球磨工業･田山の両エースによる投手戦で序盤は展開。試合が動いたのは4回表、5番･友田選手の適時二塁打で九学が1点を先制します。しかしその裏、連打で出塁した無死一･二塁から送りバントの打球を友田捕手が三塁に悪送球。これを見て二塁走者が本塁生還し、1対1の同点になってしまいます。さらにその後2点適時打を浴びた蒔田投手はこの回3点を失い、球磨工業に逆転を許してしまいます。

　その後、両チームともに決め手を欠く中、九学は遊撃手･川野選手が三遊間深いところから一塁に矢のような送球でアウトにし、右翼手･人見選手が右中間への打球へのダイビングキャッチを成功させるなど、守備から流れを引き寄せていきます。すると8回表、4番･荒木選手が中前にはじき返す適時打で1点差とし、3塁側スタンドは大いに盛り上がります。

　そして9回表にドラマは待っていました。7番･山路選手が四球を選んで出塁すると、8番･蒔田選手が犠打で走者を二塁に進めます。ここで代打･荒川選手が中前安打。中堅手の守備が乱れる間に山路選手が本塁に滑り込んで生還し、土壇場で同点に追いつきます。続く1番･川野選手は凡退しましたが、二死二塁から2番･古澤選手が三塁線を痛烈に破る適時打を放ち、ついに逆転に成功します。九学名物の応援歌「大チャンス」にあわせて大声援を選手に送っていた三塁側スタンドは2回戦(熊本西高校戦)の再現となる最終回の逆転劇に歓喜の声が響き、抱き合って喜ぶ姿がありました。

　試合途中に足がつるアクシデントに見舞われた蒔田投手は9回裏もマウンドに上がり、見事三者凡退にきってとり試合終了。逆転勝利で2年ぶりの準決勝進出を決めました。勝利の校歌をともに歌った応援団は選手たちに大きな祝福の拍手を送りました。学校応援は2年ぶりということもあり初めての経験だった生徒も多く、球場を出る際には「とても感動しました」「身も心も熱くなりました」などと語る生徒が多くいました。

　日程が予定通り消化した場合、次戦(準決勝)は22日(月)、リブワーク藤崎台球場での第1試合(9時30分開始予定)で第4シードの秀岳館高校と決勝進出をかけて対戦します。秀岳館高校は投打ともに強力で、この日も第2試合で第1シードの熊本国府高校を破っての準決勝進出です。毎年選手が異なるとはいえ、九学としては一昨年まで2年連続決勝で甲子園出場を阻まれた宿敵で、今年も直近のNHK旗を制した強豪です。全力で強敵に立ち向かう九学ナインに皆さまのさらなるご声援をよろしくお願いいたします。

　

　九州学院　０００　１００　０１２＝４　安打＝８　失策＝１

　球磨工業　０００　３００　０００＝３　安打＝６　失策＝３

　

《下：粘りの投球で完投した蒔田投手》

《下：逆転打を放ち拳を突き上げる古澤選手》

《下：逆転劇に盛り上がる九学応援団》

《下：準決勝でも勝利の校歌をともに歌いましょう！》